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藤原さん頒布:DAC9018sの製作 

 藤原さんのDAC9018があちこちで絶賛されてます。 皆さん次元が違うというレヴェルの褒め言葉。 当然。私も作ってみたくなり製作開始しました。
 何しろ、このES9018というDACチップは凄い高性能です。 ハイレゾ対応で、DAIチップなしでS/PDIFも、I2Sも、DSD入力も対応出来ちゃう。 おまけにジッタークリーナーも内蔵していて、これがなかなかスグレものらしい。 これをキット化してしまう藤原さんはあらためて凄いなあと思います。
   とりあえず、1セット分けて頂き作ってみました。
 基本的に付属してきた半導体やチップ部品は変更なし。 電源は1.2V作るのは大変そうなので、付属の3端子レギュレーターを使うことにして、3.3Vのみを供給するようにしました。 抵抗類は利久の金皮ROを使い、ケミコンはOSコン、0.1μFのフィルムコン指定のところはチップのPPSコンにリード線をハンダ付けしたものです。

DAC boad1   とりあえず組み立てたDAC基板
DAC boad2   反対側から


 入出力のケーブルは直にハンダ付けした方が良いに決まってますが、色々いじりたくて、つい端子台を使ってしまいます。 コントロール端子とS/PDIF入力はピンを立てて接続。 I2SとDSD入力はいつもの10ピンコネクタです。

 さて、この基板だけでは音出しは出来ません。 電源と、I/V変換アンプが必要です。 PCM1794用に作りかけのものがあったので、それを流用することにしました。

IV Amps   I/V変換アンプ

 まずは、I/V変換アンプですが、藤原さん頒布のDAC1794-3.5のAタイプのIV変換基板を使ったものを取り敢えず完成させて使うことにしました。 いくつかのIVアンプを同時並行的に作ってたのですが、これが一番速く完成したのが採用理由です。 藤原さんのマニュアルに従い、金田式もどきに改造し、部品の定数は15V動作用に変更したヴァージョン。 抵抗類は利久のROでコンデンサは全てPPS。 FETは2SK246/J103です。 定電流回路は、LEDではなくて手持ちにあったという理由でHZ3CLLを使い、定電流石はゲルマの2SC14。 ゲルマ石はVBEが0.6Vよりもだいぶ低いので抵抗値を調整してあります。 そして出力段のトランジスタには三菱の2SC776を使いました。

 電源回路も、PCM1794用のを改造して使います。 全貌はこんな感じ。

PS   電源回路

PS2   DAC用安定化電源基板

 まず、安井式のフィルターを通した後、IV変換アンプ用のトランスとDAC基板用のトランスに。 DAC側は江川式もどきの平滑回路2系統と、3端子レギュレーター使った5V電源回路の載った基板につなぎ、そのあとアナログ3.3Vとデジタル3.3Vを別々にシャント式電源で作りました。 今回は、おおざっぱでなくきっちりしたかったので抵抗値をトリマーVRで調整出来るようにしてあります。 出力用のトランジスタには2SC1383を使いました。
 IV変換アンプ側はV19を使ったシンプルな整流回路のあと、やはりシャント電源で、およそ15Vを供給します。 出力段のトランジスタは2SA1010/2SC2334を使いました。

 これでもっていつも聴いてるヘッドホンシステムのうちAQUAの部分を差し替えてSP/DIF入力でいつものテストソースを聴いてみました。
 噂に違わぬすごさです。 解像度の高さが素晴らしい! カンターテドミノの合唱のピアニシモの部分でホールの外を通る車のかすかな騒音がちゃんと聞こえます。 ワルツ・フォー・デイビーの会場の雰囲気が実にリアルに伝わってくる。 テストソースを聞き惚れちゃって、なかなか作業が進みません。

 でも、その先に試したいことは山ほどあるわけで、取り敢えずやったのが、I2S入力を試すこと。 といっても、I2S出力するものが必要な訳で、いくつか候補があったのですが、サンプリング周波数は48KHzどまりではあるものの、PCM2706というチップがUSB入力でI2S出力を持っており、これを使った変換機を作ろうと調べていたら、ヤフオクで完成品を売ってるじゃありませんか。 しかも、2000円と安い! 早速注文し、届いた基板を装着すべくアダプター基板を作って載せたのがこれ。

USB to I2S   USB-I2S変換基板

 たまたま電源回路に用意してあった5V電源をこれに使います。 かくて、バラックセットですが、現在の全貌はこんな感じ。

whole view  全貌

interface up  入力部アップ

 さて、USBを直接この変換基板につないでI2Sで聴いてみましたが、さらにえぐいくらい音が出てくる感じ。 ただ、SP/DIFとどっちが良いかはむづかしい。 メインシステムにつないで聴き比べなければなりません。 ともあれ、究極のDACとなりそうな予感がします。 一番気に入ったDACに使おうと思ってたケースはこのDACに使うことになりそうです。


 で、メインシステムに繋げばいいわけですが、その前に寄り道して、話題のSDカードプレーヤー: QA550を入手したので、そっちの改造を澄ませてから、メインシステムでの試聴です。

 まず、比較対象として、QA550のS/PDIF出力を、常用のDAC1242+エレアトさんのメモリーDAIに繋ぎ、いつものテストソースを一通り聴いてみました。 聞き慣れた良い音でPC出力と遜色無いなと思いつつ終了。 次いで、DAC9018sに繋ぐわけですが、実はこの段階で1つ手を加えてありました。 音出し段階では、S/PDIF入力部の75Ωだけ手抜きして手持ちのKOAの1/4Wを使ってたのですが、龍一さんのブログの情報だと、ここの75Ωを利久にすると良いらしい、また、S/PDIFアンプの抵抗値も変更すると良いらしいというので、ch2はそのまま、ch1は龍一さん流に変更して聴き比べることにしました。
 まず、ch2にQA550のS/PDIF出力を繋いでみました。 まるで違います、凄い音です。 低音部がぐっと腰が据わってます。 常用のスピーカーDS10000からこんな低音が出るのは初めて体験しました。 中高音もグイグイ前に出てくる。 ものすごい密度濃いです。 ただ、ちょっとアクが強いというか、下品なところがあります。 まだ、DAC1242が完敗とは思いません。
 次に、ch1にQA550のS/PDIF出力を繋いでみました。 予想以上に違います。 やはり、上下方向ともに非常にワイドレンジなのですが、ch2のときのような強引な感じが無く、実に素直に音がのびて行きます。 その結果、非常に解像度良く、細かなニュアンスや陰影も良くわかる。 ここに至って完全にDAC1242を凌駕しました。
 そして、QA550から取り出したI2S出力を繋ぎます。 実に良い。 これは、後戻り出来ないです。 人の声が、本当に良いなあ・・・・


 さて、I/V変換アンプですが、本命はこれじゃなくて、K'sさんとprostさんが頒布されたLH0032使用のやつです。 で、最近のお気に入り部品中心で組上げてみました。

LH0032IV  LH0032使用のI/V変換アンプ

 抵抗は利久の金皮、コンデンサは全てPPS。 メタキャンのツェナーダイオードはRD16B。 定電流石はゲルマの2SA234と2SC14。 電源の出力石は2N2905Aと2SC310です。
 LH0032はCALOGIC社製のもので、メタルケースとNCピンをハンダで短絡し、このピンをアースにつないであります。 QA550のI2S出力でいつものテストソースを聴いてみると、すんなり音が出ました。 一段と凄いですね。 

 で、この状態で入力だけ他のものを更に試してみました。 まず、hiFace evo にI2S出力があるので、アダプタケーブルを使って繋いでみます。 電源は同じ9Vのアルカリ乾電池。 ソースはQA550に差したのと同じSDカードをMacBookAir に差して、バッテリー駆動状態で再生。 再生ソフトはAudirvanaを使います。 

hiFaceEvo  バッテリー駆動中のhiFace evo

 これだけ聴いたら、非常に良い音だと思いますが、先ほどに比べると、ソフトフォーカスで情報量が減っている感じがします。 ハイレゾにも対応出来るということ以外、あまりアドバンテージは無いように思います。 続いて、XmosのXS1-L1。 S/PDIFの光出力が標準ですが、基板上にI2S出力端子があるのでここにピンを立て、変換アダプターを作って接続。 先ほどと同じMacBookAirのUSB出力をつなぎます。

Xmos  Xmos:XS1-L1にアダプターを付けたところ

 これは、さっきよりだいぶ解像度も高く、QA550に迫るところはあります。 ただ、まだ凌ぐには至りません。 USBバス電源で使っているので、この部分に手を入れてみようと思います。


 このI/V変換アンプで色々計画していたのですが、prostさんがBGA_CM基板なるものをリリースされました。 これは、金田氏が考案された回路で通常片チャンネル3個ずつのオペアンプを使うところを1個に減らせるもの。 LH0032が6個から2個に減らせたら、お財布にも優しいし、音的にもより鮮度の高いものになるのでは・・・ということで、使ってみることにしました。

 まず、prostさんが頒布されたLH0032使用のI/V変換アンプを改造します。 prostさんのサイトの記事を参考に作ってみたのがこれ。

iv1 iv2  改造したI/V変換アンプ

 1枚に2チャンネル分のI/V変換アンプが載っています。 BGA_CM基板への接続線は直出し。 この段階では出力のオフセット対策にPPSの壁が載っていますが、結局100Ωの出力保護抵抗に変更しました。 BGA_CM基板はトランジスタを色々試せるようにしました。

BGA_CM基板  BGA_CM基板

 これを、繋ぐとこんな感じ。

とりあえずの使用風景  とりあえずの使用風景

 金田式のBGA_CM回路では2SA970/2SC2240のコンプリが使われています。 それ以外にも手持ちの石から幾つか候補をピックアップしてみました。

試してみたモールド石  試してみたモールド石

 まずはモールド石、2SA970/2SC2240を差して聴いてみます。 QA550:I2Sでいつものテストソース。 LH0032が6個のものと比べると、より押し出しが強くなり、ベースのピチカートなんかが凄みを増していますが、何となくレンジが狭い感じ。 高域の伸びが今ひとつで、音場が狭いように思います。 次に試したのが2SA991/2SC1844。 これは、ソフトフォーカスになっちゃって、ダメです。 3つめは、わたしの贔屓の2SA1394/2SC3382。 これは良いです。 2SA970/2SC2240と比べると幾分低音は引っ込みますが、レンジが広がり空間が見えてきます。 4つめとして、2SA1015/2SC1815のローノイズタイプが手に入ったので試してみました。 これも、なかなか良いです。 2SA1394/2SC3382と似てますが、こっちの方が鮮烈?

試してみたメタキャン石  試してみたメタキャン石

 モールド石で試してみても良いものは他にもありますが、やっぱりメタキャンを使ってみたい。 ただ、手持ちのものはだいぶ涸渇していてコンプリがそろうものが多くありません。 で、わりと平凡な発想ですが、間違いがなさそうな2SA603/2SC943を試してみました。 これは、非常にバランスが良い。 やはり銘石だと思います。 ただ、ちょっとおとなしいかなぁ。
 本来だと、この後、おなじみのメタキャンを幾つか試すところなんですが、今回はじめからやってみたくて、ウズウズしてたので、ゲルマ石を試しました。 ゲルマ石でコンプリは2SB/2SDでないとおそらく入手不能です。 でも経験上それだとおいしくないんですね。 それで、コンプリにこだわるのは止めにして、候補の石をリストアップ。 といっても、2SCは非常に少なく、手持ちの関係で2SC14と2SC90くらいしか使えません。 2SAの方は、いつもの2SA234/235は流せる電流量に余裕が無いので断念。 手持ちの中では2SA358が使えそうですが、これは電流そこまで流さないので、放熱用のしっぽを切って使います。 あと、スペック見て良いんじゃないかと思い、2SA244をゲットしてみました。
 まず、電流が一番流せる組み合わせ、2SA358/2SC90を試しました。 接続を終え、最初の音を聴いた瞬間、うなってしまいました。 これは、勝負になりません。 圧倒的に見晴らしが良くなり、しかも良い音です。 このあと、2X2通りの組み合わせ全部聴いてみましたが、どれも同傾向で素晴らしい。 とりあえず、僅差で2SA244/2SC14を最終候補にしましたが、電流が大きい場合、2SA358/2SC90にしても全然不満ないです。 ただ、安定性がどうだか不安はありますが・・・

 つづく・・・・・


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