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トランス式USBDACの製作

 だいぶ前なので、正確には何時だったのか覚えてないのですが、青木さん作の一連のDAC用に使ってみるつもりで、ヤフオクでいくつかライントランスを入手してあったのですが、結局、ルンダールのマイクトランスを使い、落札したトランスはそのまま死蔵していました。 先日、ぺるけさんのサイトを見ていたら、トランス式のUSBDACの記事が出ていました。死蔵していたトランスが使えるのではと思い、早速秋葉の秋月に・・・ その顛末を一席、

トランス   昔、ヤフオクで落札したトランス

 死蔵していたのはタムラ製の古い(おそらく)ライントランスで、円筒形の金属ケースに入っており、サイズはφ45mmx65mmと割と大きめです。結構傷がありますが、断線はしてない模様。

トランス上面   トランスの上面

 ケース上面の記載を見ると型番はTKs3で1次;2次=600Ω:60KΩ、巻き線比 1:10となっています。ぺるけさんのサイトの記事ではいろいろなトランスについて実際に作ってみて周辺回路の定数を絞り込んでありますが、残念ながら本来600Ω:7〜10KΩのトランス用の回路らしく、私のトランスはやや巻き線比が大きすぎます。自分で測定しながら定数を追い込んで行けば、作れそうではありますが、あまり自信はありません。でも、あきらめるには惜しい。このトランスのコアボリュームは良い音につながる予感がします。 で、インピーダンス比は違いますが、巻き線比1:10の作例が1つだけあったのでそれを参考に定数を「てきとー」に決めて、あとは聴感で調整してみることにしました。

 半分実験みたいなものですから、なるべく手持ちの部品を活用したいと思い、秋葉原に向かう前に部品箱を覗いてみます。 DACキットは買うとして、キット付属のパーツのうち交換する予定のものと、それ以外にぺるけさんの記事で必要なもののなかで、手持ちの部品で何とかするものと、買い足すものを整理します。 キット付属の抵抗はおそらく金皮1/4Wなので利久とみてこのまま利用することに。付属のフィルムコン0.022μFは交換する必要があるとみて手持ちをあさり、APSのポリプロを使うことにします。ケミコンは千石の地下で売ってる低ERSの安いやつが良いでしょう。ぺるけさんも良くお使いになってるみたいですが、私も最近もっぱらこれです。キット出力段のケミコンはとりあえず470μFにします。LPFはコイルを使った改訂版にしようと思ったのですが、手持ちに2.7mHのコイルはないので調達する必要があります。LCフィルタのCのほうは0.01μFのフィルムコンですが、ここはかなり音に効くとみてPPSを使いたい。しかし、あいにく手持ちに海神で売ってる黒いやつがなかったので、表面実装タイプのを基板上で無理矢理使うことにしました。トランスの直前に一次巻き線と並列に入れる抵抗は手持ちの利久ROから750Ωを使うことに。何しろ巻き線比が大きいので、出力電圧がおっきくなり過ぎ、使い勝手が悪いと思われるので、ぺるけさんの作例を参考に手持ちの利久の中から1.8KΩと5.6KΩを使って平衡型のアッテネーターを作り出力回路に入れることにします。出力回路はせっかくなので平衡型とすることに。そこまで決まった所で秋葉に買い出しです。

 まずは秋月電子に。ここでAKI-DAC-U2704を購入しないことには始まりません。売り場の直近にUSBケーブルを売ってたのでDACのUSB端子を外部に引き出すために1本購入。 その後、近くの千石電商の地下でケミコンを購入。 ここでコイルを見てみましたが適当なものがなく、その後心当たりの店を数件回りましたが、良いものが見つからないので、結局これはぺるけさんから頒布していただきました。 ケースはタカチのHENシリーズならかっこいいしサイズも手頃なのですが、XRLコネクタ用の穴あけが面倒そうなので、タカチのCD型コントロールボックスという前面と背面のパネルがプラスティック製のものを使うことにします。XRLコネクタと、同じ取り付け寸法のUSB変換コネクタはトモカさんで調達。 あとは、お家でハンダ付けと穴あけ作業です。  

 で、出来上がったのがこんな感じ。 いきなり完成写真ですみません。 途中の工程撮っとくの忘れました。 まずは、内部はこうです。

USBDACの中身    USBDACの中身

 このケース、パネルはプラスティックなのでもくろみ通り穴あけは楽勝だったのですが、箱の本体のアルミ部分は結構立派な厚みがあり、トランス用の穴あけにえらい手こずってしまいました。 ほんとにHENにしなくて良かった。 穴あけが終わったらコネクタ類とトランスを取付け、DAC基板も取付けた後、錫メッキ線でアースラインを組んでしまいました。 DAC基板に続くLCフィルタ部は手持ちのユニバーサル基板を適当な大きさに切ったものの上に組み上げておき、トランスとDAC基板の間に配置。 トランスの2次側のアッテネーター回路はこれも手持ちの平ラグの上に組んでトランスと出力コネクタの間に配置します。DAC基板とUSBコネクタを繋ぐケーブルですが、秋月で買ったケーブルがなんと使えません。 DACキットを売ってる場所の直近に山積みだったのでてっきりそれだと思い込んでいたのですが、帰ってみたらこのケーブルはTypeAとmicroUSBオスを繋ぐものでした。 必要なのはTypeAとminiUSBを繋ぐもの。 確認しなかった私が悪いんですが、秋月さんも置き場を考えて欲しいものです。 で、写真に写ってる青いケーブルは後日マルツパーツで手に入れたものです。これでも25cmの長さのものなので15cmくらいのものがあるとちょうど良いのですが、短いのはあまり売ってなくて、これで良いことにしました。

全体像    全体像

 全体はこんな感じになりました。 何か、どっかで見たような格好・・・


背面像    背面像

 背面パネルはこんな感じです。 バスパワー式なので電源コードやヒューズとかなくてすっきりしたもんです。


正面像    正面像
 正面はこうです。 写真ではよくわかりませんが、DAC基板のLEDが点灯する様子が小孔から洩れでて見えるようになっています。


正面のLED    正面のLED
 LEDを点灯させて拡大・・・ やっぱ良くわかりません。 すみません。


 さて、これを試聴するわけですが、とりあえずXRLとRCAプラグを使った変換ケーブルを作り、これを使って常用のヘッドホンアンプに繋ぎ、ソースとしてiTuneでメインに使っているMacMiniのUSB出力でなじみのソースを聴いてみました。 あっけなく音が出て、予想以上に良い音が初手から出ています。 いつも神経質なくらい気にしているクロストークが多そうなのに、解像度が結構良く、周波数レンジが狭い感じもしません。 定数を絞り込んだりしていないので、変なクセが出るのではないかと思いましたが、聴感上変な感じはなく素直に良い音です。 意外なくらい透明感があり、細部が良く聞き取れ、それでいて聴き疲れしません。 今の所このままで全く問題なし。 何たる幸運! 音楽鑑賞用にはお薦めの一品になりました。  


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