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Jinsonさん作TDA1543 LR分離 真空管I/V DAC for Raspberry piの製作

 遅ればせながら、Jinsonさんが発表されたラズパイDACシリーズのうち真空管I/Vを作りました。半導体を取り替えるほど手軽ではないのですが、球をいろいろ取り替えて聞いてみました。 以下、そのご報告です。
 早速ですが、組み上げてラズパイに装着したところです。コンデンサ類は、出力カップリングはPMLSの10μFで、それ以外はPPS。ケミコンはOSコン。 電源用のトランジスタは2SA235と2SC2634の組み合わせです。

球IV全景 球IVをラズパイに装着したところ

 このDACは球を差し替えるたびに調整が必要なのがやや面倒ですが、おかげさまで生まれて初めてオシロスコープを使うことになり、これはこれで新鮮な体験です。
今回用意した球はGEの5670、RAYTHEONの5670、TESLAの6CC42、中国北京工場製6N3、ロシア製の6N3P-E、6N3P-EV、6N3P-I、6N3P-DRの8種類。それぞれ10時間ほどヒーターエジングして時から試聴開始します。テストソースはいつものやつ、ワルツフォーデイビー冒頭、カンターテドミノ、死の歌と踊り、オルガン版告別冒頭、それに、ブルックナーの交響曲4番冒頭とメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲冒頭。 出力をハイゲインヘッドホンアンプにつないで聴きました。
対照として、いきなりハードル高いですが、N-ch FET IVを聴き、それから球IVと比較。 まずはGEの5670を聴いてみます。

E製5670   GE製5670

 聴き始めて、第一印象は静かだなと。おそらく余計な付帯音がないんですね、これは他の球で聞いた時も感じる共通した特徴です。ということは長時間聴いても聴き疲れしにくいということ。 それだけでもこのDACに大きな魅力があるのがわかります。 球バッファのときの印象からGE球にはあまり期待していなかったのですが、意外に健闘していると思います。 ただ、後から出てくる本命と比べると情報量は減るし、低音が控えめかなと思います。 でも安く手に入るなら、この球はアリだと思います・

 次いでRAYTHEONの5670。

RAYTHEON製5670   RAYTHEON製5670

 これ、面白いほど球バッファと同じ印象です。低音が締まり、全体にストイックな音ですがソースによっては低音がやけに出る。周波数帯域に得意不得意があるのかもしれません。結構個性派なので好みが分かれると思います。

 3つめは中国製6N3。北京工場製とのことですが詳細不明。aitendoさんで安く売ってたやつです。
中国製6N3   中国製6N3

 どうもこの球は解像度が劣る。酷いというほどではありませんが、数百円けちってこっちを買う理由はないと思います。

 4つめはTESLAの6CC42です。
TESLA製6CC42   TESLA製6CC42

 これは、今までのとは明らかに解像度が違います。制動の効いた低音がちゃんと出てくるし、細かい表情がかなりよく出ている。ビンテージ物に類する物なので高価なのが問題ですが、推薦できる物と思います。

 5つめからはロシア製の6N3Pシリーズ。 まずは、6N3P−Eです。

ロシア製6N3P−E   ロシア製6N3P−E

 この球、球バッファの時はあまり感じなかったのですが、独特の表情が出ます。アンニュイというか、物憂い感じが漂うソースがあって、ハマったら結構やめられなくなるかも。情報量はそこそこと思います。

 続いて6N3P-EV、これは球バッファで非常に評価高かった球ですね。

ロシア製6N3P−EV   ロシア製6N3P−EV

 さすがにこれは王者の貫禄というか、いい音だし情報量も多い。入手性も価格も含めてオススメの第1候補ですね。

 さて、ロシア球3つめは6N3P-I、これはイマイチ素性はわかりません。ヤフオクで入手した物ですがあまり見かけませんし、位置付けがシリーズの中のどの程度のグレードなのかも情報がないです。
ロシア製6N3P−I   ロシア製6N3P−I

 この球の問題点は、出力が低くなってしまうこと。 音量が小さくなってしまいハイゲインヘッドホンアンプの音量最大でもやや不足を感じてしまう。 こういう場合はどうしても印象が地味目になって評価が低めになりがちですから正確な評価ではないとお断りした上で・・・悪くないです。どうやら低音は、ちゃんと出ており、残響の消え方が魅力的。音楽の表情がよく伝わる。 しかし、入手性が悪いし、使い勝手も良くないので積極的に勧めるわけにはいかないかなぁ。

 最後はは6N3P-DR、これが、6N3Pシリーズの最上位機種らしいのですが、今回はじめて入手しました。安くはないです。
ロシア製6N3P−DR   ロシア製6N3P−DR

 これは、6N3P-EVと双璧。私の好みからするとこっちの方がさらに上かなあ。 解像度良く、音楽の表情が良く伝わる。 残響の消え方が絶妙です。

 総評として、どれを使っても大きな不満はないレベルには達すると思います。なかで、私が使うなら、TESLAの6CC42か、ロシア球の6N3P-EVまたは-DR。しばらくは、-DRを差して楽しむことになりそうです。

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