あれこれ・まあ・のんとろっぽ

presented by づか since December 2004


オーディオ関連掲示板


Jinsonさん作TDA1543 LR分離DAC for Raspberry piの改造 Nch J-FET IV編

 Greece7さんがJ-FET IVのNチャンネルJFET版を発表されました。今度もJinsonさんのラズパイDAC基板をパターンカットなしで実現できそうなので、やってみました。 結構手間取ってしまいましたが、その顛末を御報告します。
 jinsonさんの基板は予備の分も使い切ってしまったので、NPNトランジスタの基板を改造することにしました。 パターンカットなしでこの改造も実現できます。 具体的には抵抗とコンデンサーをこの図のように配置します。(今回はVREF用抵抗を付けてはいけません。)

変更図 TDA1543 LR分離DAC for Raspberry piの変更点
      (原図はJinsonさん発表のものを許可をいただいて引用)

 実際の改造では、抵抗を取り替え、バイアス回路のコンデンサを取り去り、バイアス回路にダイオードを配します。抵抗類は利久の金皮1/4W。 ダイオードは手持ちの1NS1588互換のやつです。

最初、よく考えずにPchの時と同様、VREF=7pin に1.5KΩをつないでアースに落としてまして、これがDACの挙動を異常にしました。散々悩んだ挙句、Greece7さんのページで他の方の質問コメントを見てVREF抵抗を付けないことに気づき、外したらあっけなくまともになりました。

実基板   改造後の基板はこんな感じ



 まずは、Greece7さんが採用された2Sk396使って音出し。 真ん中の足がGateなので、これをシルク印刷のBにあわせ、残り二本をC とEに差し込みます。J-FETの特徴で、SとDは逆にしても大丈夫です。 で、試聴・・・

 Pチャンネル版のものと遜色なく解像度の高い音です。 で、これをレファレンスとしてNch JFETの聴き比べをやろうと思います。NチャンネルJFETはたくさんありますが、もともと東芝のは有名どころは持ってたのですが、それ以外にもアキバで買い集めて20数種類。 まずは東芝から。 集めたのは、2SK30、2SK177、2SK170、2SK192A、2SK246、2SK330、2SK369です。
東芝FET   東芝のFET

 まず、2SK369をじっくり聞いてみます。 これ、かなりグレード高いと思います。 ピアノは綺麗だし、ソプラノの余韻が素晴らしい。 オルガンなどで低音が自然に伸びている。 ブルックナー冒頭のホルンも良い感じ。 で、次に2SK30を。 これも悪くありませんが、低音の伸びがあと一歩。それと、ホルンの音がやや硬いです。 2つ目は2SK117。 これは良いですね。 低音の出方に余裕があり全体に響きがきれいです。 3つ目が2SK170。 細部までよく聞こえて見晴らしが良いのですが低音が控えめでホルンの音もやや硬めです。 次に2SK192A。 これだけ足の並びが違います。 向かって正面左からDSGの順なので足はひねらず使います。 今までと違い。これはローノイズタイプではないせいなのか、ややもやつく感じがあります。低音がややかぶり気味。 ホルンの音色は良いです。それと、この石だけ音圧レベルが低く、いつもアンプのボリュームを12時の位置で聞いていたものが同じ音圧を得るために2時の位置まで動かす必要がありました。 お次はおなじみの金田石:2SK246。低音の出方はまずまず。ホルンも良い音です。 でも全体としてはまずまずどまりかなあ。 東芝石の最後は2SK330。 悪くないですが、コントラバスマリンバでの低音がガチガチに硬く不自然。 オルガンの低音は良いしホルンも良い音色なのに・・・
総評として、僅差ではあるものの東芝石で選ぶなら2SK117か2SK369でしょうか。

 続いて三洋の石が割とたくさん手に入ったので、これを聴き比べます。入手したのは、2SK41、2SK212、2SK315、2SK596、2SK772です。
三洋FET   三洋のFET

まずは2SK41。 足の並びはDSG.。これはボリュームを3時まで動かす必要がありました。独特の美音というか、人の声が時に艶かしいし、ホルンが朗々と響きます。好きですねこれ。 次に2SK212。 これも足はDSGでボリュームの位置は3時。 2SK41と同傾向で、こっちの方がより響きがきれいだと思います。 三洋の3つ目は2SK315。 これも足はDSGでボリューム位置は更に上がって4時。 音は同傾向で響きは更に上。 4つ目として2SK596を試しましたが、これは発振しかかっているのかノイズが大きく使えませんでした。 三洋の最後は2SK772。 これは足の並びはDGSでボリュームも12時でOK。 音は解像度高く、低音も出ますがなんか音が東芝っぽい。 差は大きくないものの三洋石は東芝に勝っていません。
 次にNECの石が4週類。 2SK193、2SK514、2SK660、2SK1002を聞きましたが、後ろ2つはノイズで使うことを断念しました。
NECFET   NECのFET

 2SK193は足の並びがGSDでボリュームの位置は3時。 ホルンは良い音ですが、総じて音の伸びが悪く魅力がありません。 2SK514は、足の並びはDGSでボリュームは12時でOK。 これは非常にクリアで解像度が高く、それでいて低音もでます。ブルックナー冒頭で弦の刻みが良いしホルンが実に柔らかい良い音を出します。これは銘石です。
 このほかに国産のを2つ。
その他FET   その他国産のFET

 日立の2SK168は足の並びがGSDでボリューム位置は3時。低音は出る方で人の声が艶っぽい。panasonicの2SK83も足はGSDでボリュームは3時。この石は情報量が多く低音は出ます。ホルンの音も魅力的。 あと、SONYの2SK152も聞いてみたのですが、音が小さくボリュームを振り切っても十分な音量にならなかったので選外としました。
 あと、Fairchildのを4つ。 J112、J113、PN4117A、2N4117です。
FairchildFET   FairchildのFET

PN4117Aは残念ながらノイズでボツでした。 J112とJ113はともに足の並びはDSGでボリュームは12時。 音質は同傾向で低音は出るし、人の声は艶かしい。ホルンも良い音です。ただ、j112が時々低音がかぶり気味のところがあるのに対しJ113は全く破綻しません。 そして、2N4117ですがこれはメタキャンで4本足の特殊な構造ですがボリュームは12時でよく高解像度かつ静かで低音もそこそこ出ます。良いですね。

 あくまでも、抵抗値はいじらずの話なので石ごとに調整すれば結果は変わるかもしれませんが、総括すると私の好きなのは、2SK514とJ113、それに2N4117でした。


DACにまつわるあれこれ      


オーディオ関連のページ INDEX   



オーディオ関連掲示板       


Home               



inserted by FC2 system