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電源関係のあれやこれや

電源関係はいろいろと面白いことがあり、まとめて1ページ作ることにしました。 ただ、私の独断と偏見による部分が多い上に、安全管理上太鼓判を押す能力はありませんので、真似する人はあくまでも事故や火災に関して自己責任でお願いします。

まずは、安井式電源フィルターのお話



安井章さんがMJ誌上で何度か取り上げられている電源フィルターが作りやすい上に音が良いように思い、常用しています。(私の自作品のほとんどに使っています。)

安井式電源フィルター図 安井式電源フィルターの図

作り方を知りたいという方がいらっしゃいましたので、ここで取り上げることにします。 
材料:
    コア:    アミドンのFT-114-#43
    配線材:   テフロン被覆銀メッキ線 (線径0.8mm)
    コンデンサ: 0.1uFのフィルムコンデンサ
    抵抗:    12〜16オーム 1W以上?
    基板:    適当

 抵抗は、いろいろ試してみましたが、わりと安いのでも良いんじゃないかと思います。 抵抗値は、最初13オームだったと思いますが、発表のたびに徐々に増えて、手元にある記事の中では16オームになっていますから、厳密でなくとも良いのではないかと思います。耐圧も1Wでトラブッたことはないですが、何となく2〜3W位を使ってます。 コンデンサもあまりこだわってません。 材料はすべて秋葉原の東京ラジオデパートおよびその周辺で調達しています。
 図のように、コアに左右対称になるようにテフロン被覆線を14回巻きます。 ACラインの2本の線のそれぞれがコイルにつながりコイルの出力側に抵抗とコンデンサを直列にしたフィルタが入ります。
 私はこのフィルターをSWとヒューズの後、トランスの前に入れています。 トランスを複数に分ける場合、それぞれのトランスの前に入れた方がより効果的かもしれませんが比較したことないです。


続いて青木式シャント電源のお話



 私が多用しているためか、回路図を教えてほしいと御要望の声があります。 青木さんはこの回路の著作権を放棄されてはいないと思いますので、それをお断りした上で、私の理解している範囲でご紹介したいと思います。
 この回路は、シャントレギュレータによる定電圧回路に供給する電源をFETによって定電流化するというものです。 基本形はこうなります。

基本形:正出力図 基本形:正出力

 出力電圧は、Vout = 2.5x(1+R1/R2) で求まります。 例えば、5Vが欲しければ、R1 = R2 = 1KΩ、3.3Vが欲しければ、R1 = 240Ω、R2 = 750Ωとなります。
 実際には、部品による誤差もありますから作ってみて、抵抗値を調整することもあります。 ここでコンデンサの値は適当・・・ 耐圧が許されるなら、私はセラミックコンデンサの10μF位を使うのが好きですが、通常のケミコンでもフィルムコンでも悪くはありません。 抵抗値をどのくらいにするかも、適当です。 私は何となくR1を750Ωにして計算することが多く、それでちょうどいい相方がないときには、1KΩとしています。 Vinとして与える電圧はVoutより3V以上高い値としますが、やみくもに高い値だと効率が悪いし発熱するしで大変です。
 また、FETを使う理由は定電流ダイオードよりノイズ的に有利だからで、ローノイズタイプのJFETなら2SK170でなくとも構いません。 ただし、Voutの電流は、当然このFETに流れる電流より大きくはとれない訳で、この図の例だと2SK170BLの6-10mA程度ということになります。 これでは、必要な電流に足りないという場合、FETをパラに接続します。

パラレル:正出力図 パラレル接続:正出力

 FETを無限に繋げばいくらでも電流が増やせる訳でなくシャントレギュレータの電流耐圧は守らなければなりません。 TL431の定格は100mAとなってますが、私は安全を見て、50mA位を限界としています。 このくらい電流が取れればデジタルチップの多くは十分です。 デジタル回路の電源はハイスピードであるにこしたことはないので、この方法が理想だと思いますが、当然アナログ回路、特にアンプ等ではこんな小電流では足りません。 そこで、この定電圧回路でリップルフィルターを駆動することにより大電流を供給することも可能となります。

リップルフィルタ:正出力図 リップルフィルター駆動:正出力

 トランジスタのベースに入っている100Ωは発振防止用で厳密な値ではありません。あまり大きくしすぎなければ大丈夫だと思います。 VoutはトランジスタのVBE分電圧降下があるので、シャントレギュレータの出力電圧は0.5-0.6V位高い値とします。 例えば5V出力を狙うなら、R1 = 1.1KΩ、R2 = 1KΩ。 ただし、出力段のトランジスタによりVBEは違いますから作ってみて調整します。
 さて、負電源ですが、基本的には正電源の回路を逆さにして使います。 基本形はこうです。

基本形:負出力図 基本形:負出力

 実際に作る時あわててFETの接続法を逆にしないように注意が必要です。 私はよく逆に繋いでしばらく悩むことがあります。
 そして、リップルフィルタ接続はこうなります。

リップルフィルタ:負出力図 リップルフィルター駆動:負出力

 以上、ご参考になれば幸いです。

 なお、出川式電源についてのお問い合わせもありますが、あれは特許も取られ、商業化されていますので、この場で解説するのははばかられます。  プラクトサウンドシステムさんのHPに出川先生の発表論文が掲載されており、実験してみるのに必要な情報は載っていますので、そちらを参考にしてください。


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