あれこれ・まあ・のんとろっぽ

presented by づか since December 2004


オーディオ関連掲示板


DSIXもどき その他 トランスポート・DAC間のデジタル伝送のこと

デジタル伝送中のノイズがいかに大きいか実感出来るのがこの部分です。 DSXから始まって、最近まで、私のシステムでのデジタル伝送のお話。
結局、バランス伝送アダプターケーブルを作っちゃいました。


 そもそもCDプレーヤーをそのまま使ってた頃はデジタル伝送なんて問題は起こり得なかった訳ですが、初代のMARANZ CD34のあとを継いだDENNON DCD3300にはcoax out と opt out が付いてました。 で、しばらくして中古でこのCDプレーヤーと組み合わせることを前提としたDAC内蔵プリアンプを入手したところから、私のデジタル伝送の歴史が始まります。 まあ、最初はよく分かってませんから、雑誌の勧めるケーブルの中から財布と相談してほどほどのケーブルを買い、光と同軸を比べたりしてました。 その当時はオーディオメーカーが盛んに光の方が同軸より音が良いみたいなことを言って、それに同調するオーディオ評論家もいたようですが、私自身の感想として光の方が聞きやすい場合もあるが寝ぼけると思い、次第に同軸しか使わなくなりました。 しかし、このデジタルプリアンプ、お世辞にもいい音とは言えず。 現在はパーツにばらされてしまっています。
 さて、現在の住環境で、久しぶりにオーディオ再開となってまもなくラジオ技術のDAC基板を組み立て、はじめてまあまあのDACを手に入れたわけですが、このころMJ誌上で柴崎さんがDSIXを発表され、自作熱に火が付きかかっていた私は半信半疑ながら、まずDSXを作ってみました。

DSX DSXの概念図

 これは、要するに機器とデジタルケーブルの間にパルストランスを挟むだけのアダプターですが、これだけで音が激変し愕然としました。 こうなると、作らないわけにはいきません。 で、柴崎氏が雑誌発表された通りに作ってみました。

DSIX DSIXの概念図

   この段階で、デジタル信号の経路がパッシヴな単なるケーブルからブースター付きになります。 間によけいな素子が入る分アナログならマイナスですが、デジタルではむしろエラーが減る分プラスと考えるというもの。 実際作ってみて手放せなくなってました。 柴崎さんはこの段階でブースター用の素子として高速の74VHCU04を使ってらっしゃいましたが、まだこのころはVHCが簡単には手に入らず、若○通商の入荷待ちの間に、自己流で変種を作り始めてしまいました。 発端は楠さんのNOSDACの記事中の記載で、CS8412の入力をRS422レシーバでいったん受けてから渡すところで、HC04あたりで受けるよりRS422レシーバを使った方が音が良い旨のことを書かれていたことです。 そこで、最初のづか版DSIXもどきが誕生しました。

DSIXもどき DSIXもどきの概念図

   御覧のように、DSIXのHCU04を止めて代わりにRS422レシーバ/ドライバICを使ってるだけです。 で、音ですが、私の耳には「もどき」の方が高解像度に聞こえます。 この段階でいろいろと実験しました。 例えば、電源ですが、ACは使わず、アルカリ単1電池を直列に繋いで6〜9Vを作り給電しました。 こうするとリップルはないわけですから平滑コンデンサはいらないかとも思いましたが、念のため入れておきました。 でもDSIX基板上におく意味を感じなかったので電池ボックス側に移してしまいました。 また入力のDCカット用のコンデンサを色々と替えてみました。 柴崎さんはマルコンのオーディオ用ローノイズセラミックコンデンサを使われていたので、その他にマイラーコンデンサやスチコン、良くわかんないフィルムコン、ASCのX363も使ってみました。 その結果、セラミックに負けないのはASCとスチコンだけでした。 これは高周波特性を考えたら納得ですが、RS422の接続図などを見ていて、入力にDCカットのコンデンサなんか入ってないことに気付きました。 で、これってトランスポート側にとんでもないものが繋がっても大丈夫なように過剰防衛してるんでないの? と思い、自己責任でOKじゃんとばかり、コンデンサをとっぱらってしまいました。 動作上、全く問題なしです。 ただし、トランスポートによっては盛大にDC出すような問題児がいないとも限らないので真似して壊しても責任持ちませんよ。
 さて、次に、パルストランスについて考えてみました。 トランスポートの出力にパルストランスが付いている機種があるということ、また、パルストランスは音をなまらせるとして嫌う人があるということも聞いていましたので、DSIXにとってパルストランスが何をしているのか? 一つはトランスポート内部からDSIXの出力までの間に生じた信号データよりはるかに高い周波数のノイズをカットすること、もう一つは、そこまでの間に生じたコモンコードノイズをカットすることです。 もともとのDSIXは内部のチップでコモンコードノイズを発生する可能性がありそのままではコモンコードノイズをカットする仕組みがありませんから、パルストランスは必須だと思いますが、づか版のもどきの場合、RS422チップで差動受け、差動出ししている過程でコモンコードノイズがいったんカットされます。 それに高周波ノイズの飛びつきはDSIX以後のケーブルの責任の方が大きいように思います。 そこで、パルストランスも省略してみました。

DSIXもどき2 DSIXもどきVer2の概念図

 これって、もうDSIXとはほとんど無関係? しかし、これなかなか良かったです。 ただ、これは後ろに繋ぐケーブルのノイズ対策が重要になってきます。 で、考えてみたら送り出し側だけじゃなく受ける側にもこれを付ければいいんじゃないの? そこでアダプタを作りトランスポート出力直近とDAC入力直近にDSIXもどきを入れてみました。 ビンゴです。 要するに一部の高級機で見られるデジタル平行入出力を自前でやるケーブルになります。 で、あらかじめケーブル込みで一体化したものを作りました。 名付けてアクティブデジタルケーブル。

ADC アクティブデジタルケーブルの概念図

 これで完成かなと思いました。 DACにリクロックを導入するまではこのケーブルなしでは聞く気がしなくなりましたもの。 大事なのは、入力側と出力側を別電源にすること。 その後、DACにSP/DIF叩きのリクロックを入れるようになり、入力部にあまりごちゃごちゃ入りすぎるのもどうかと思って、通常のRCAケーブルを使うようになっていました。
 ところが、AQUAやjinsonさんの一連のDAC基板で高速のRS422チップを使おうとしてもDAIがロックしないという事態が起こり、昔の実験を思い出してDCカットコンデンサを外したとき気が付きました。 これって、アクティブデジタルケーブルの後ろ側のDSIXもどきがDAC側に内蔵されてるわけじゃん。 で、こんなのをこさえてみようと思いました。

BDC バランスデジタル電送アダプターケーブルの概念図

 何のことはないDSIXもどきVer2の焼き直しですが、ちょっと電源周りに凝ったことしようとして墓穴を堀り、実際に作るのには結構手間取ってしまいました。 


 で、結局こんなふうになりました

BDC実体図  BDC現物 バランスデジタル電送アダプターケーブルの実体図(左)と現物(右)

 お手軽にロードロップタイプの三端子レギュレーターを使ってます。 大容量積セラ抱かせてるのは意地みたいなもんです。 OSコンで十分じゃないでしょうか。 DC9Vのところは6V以上あれば良いと思いますが、いろいろ試してはいません。 当初、006Pを考えてたのですが、我が家に転がってたのは全部電圧が7V代に下がったやつばっかりだったので、用途が何だったか忘れた9VのDCアダプタのコネクタを繋ぎ変えて使いました。 いずれ専用の使い勝手の良い電源を用意しようとは思いますが、当面これで十分なようです。

 さて、久しぶりにこれを使って、バランス伝送で聞いてみましたが、やっぱり分解能が違いますし、音がすっきり伸びる感じがする。 後戻りしたくないですね。 この方法だと、送り出し側の機器の中をいじらずに済むので楽だし、DACをRS422レシーバ受けにしている人には、お薦めです。


 

バランスデジタル電送アダプターケーブル2号機の製作


 アダプターケーブルは、構造上どうも安定感に不安があるのと、電源が市販のアダプターなのが今イチ気に入らず、2号機を作ることにしました。 今回は、入力部のRCAプラグに極太ケーブル用のものを使い、このプラグの中にRS422ドライバ/レシーバを組み込んでしまいます。 さすがに電源回路までは入らないので、外付けの専用電源からDC5Vを供給することにします。

 で、とりあえず作ってみた専用電源がこれ・・・

BDC_PS ケーブルの専用電源

 小型の電源トランスのAC9VをSBDでブリッジ整流し、出川式電源もどきの平滑回路を通した後、2SK170BLを定電流源として青木式シャントレギュレーター電源を使い、DC5Vを得るようにしました。ご覧の写真に写っているケミコンは秋月で安売りしていた1000uF25Vのやつです。

 さて、プラグ内に格納する訳ですからRS422のICもDIPではなくSOP型を使用します。 ST490を変換基板上に載せ入力部の75Ωの抵抗を配線します。

 BDC_ic1 BDC_ic2 RS422ドライバ/レシーバと基板

 最初は直近にせめてセラミックコンデンサくらいは、背負わせようと計画したのですが、サイズ的に折り合わず、結局この写真に写っているセラミックコンデンサは取り外しました。 これをプラグに内蔵させるとこんな感じ・・・って絶縁用のビニールテープに隠れてよく見えない!

BDC_2head 2号機入力部

ともかく、出来上がったのがこれ。 

BDC_2 完成図

1号機よりはだいぶ使い勝手が良くなったし、音も心持ちこっちの方が上? まあ、プラセボかなとは思いますが。





DACにまつわるあれこれ      


オーディオ関連のページ INDEX   



オーディオ関連掲示板       


Home               



inserted by FC2 system