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jinsonさん配布4ぱらえぴ(TDA1543x4 左右独立使用) 製作記

 jinsonさん配布の最新DAC基板(philips社のTDA1543x4個使用、抵抗式I/V変換、LC−LPF)を入手しました。 このDACチップは自分でもいじったことがありますが、どんな音に仕上がっているのか、特に左右独立にするのは前から考えていたので、実現されているのはとても楽しみです。 これも、製作していく過程を順次アップしてみようと思います。

4paraEpi配布基板など   4paraEpi 配布基板等一式
今回配布して頂いた基板など一式です。 とても立派な基板でほれぼれしますが、付属品も手に入れにくそうなものは一通りそろっていて頭が下がります。


4paraEpi途中    4paraEpi 組み立て途中
まずは、SOPのICとチップのフィルムコンデンサをハンダ付けするという、老眼の始まっているおじさんたちにとって鬼門となる部分を片付けます。 なんとかすませましたが、アップに耐えない出来なので、俯瞰図でご勘弁を! CS8414はソケットを使うことも、基板に直付けすることも出来るようになっていましたが、あえて変換基板は使わずに直付けしちゃいました。 

トランスと    IV抵抗とVREF抵抗
jinsonさんのサイトでみるとVREFの750オームはKEYの白いやつのようですが、これはどこで手に入るのかわからないので、とりあえずRS-2Bを使ってみることにします。 IV変換用の680オームはたまたま秋葉原でWE製のスケルトン?を見つけたのでゲット。 jinsonさんもどうやらこれ?

4paraEpi完成   とりあえず完成した基板
4paraEpi完成   LC-LPF付近のアップ

とりあえず、部品の取り付け完了です。 jinsonさんの作例ではOSコンを多用されていたのですが、やっぱりケミコンレスにしたくなってしまいました。 33μFのパスコンはAQUAの残りの青いやつを使い、それ以上の容量を指定されているものは「壁」をOSコンの場合の容量で投入することにしました。 写真で、白いガムテープ巻きになっているのが「壁」です。 フィルター用のコンデンサは皆さんお使いのようなのでディップマイカにしました。 LED電源の電流制御用のトランジスタは付属のもののうちA836の方にします。 あと、DCカット用のカップリングコンデンサですが、これはピンキリで悩むところです。 取り敢えず、FET差動ラインアンプの出力段に使って結果が良かったので、台湾製のBENNICという安いのを使ってみました。


4paraEpi電源部   電源部

 ケースをどうしようか考えたのですが、FET差動ラインアンプにあわせて、タカチのYM-300を使うことにしました。 電源は当初、12Vと9Vのアダプターを使おうと思ったのですが、ケースに十分すぎるほどスペースがあるので組み込んでしまうことにしました。 いつもの安井式電源フィルターを通して、手持ちのトランスを2つ使い、SBDでブリッジ整流した後、壁で平滑して、ほぼ12Vと9Vになるようにしました。


4paraEpi全体像   全体像

4paraEpi前面   前面

4paraEpi後面   後面

 ケースに入れるとこんな感じ。 音の方はまだエージング途中ですが、AQUAに比べると、より前方に出てくる感じ。 このDACはコンデンサや抵抗の1本が相当音に効いてきそうなので、しばらくいろいろいじって楽しめそうです。 とりあえず近日中にカップリングコンデンサを変更してみる予定。

 jinsonさんにカップリングコンデンサはEROのポリカーボネートがCPが高いと教わり、たまたまヤフオクに出ていたものをゲット。 またREF抵抗用にMEPCOの白いやつを手に入れたので、取り替えてみました。
4paraEpiカップリングなど   取り替えたカップリングコンデンサ周辺

 これは効きます。 コンデンサと抵抗とどっちの影響が大きいのかわかりませんが、音の出方が変わり奥行きが深く、また細部が緻密に描出されるようになります。 それでいて、線が細くなる感じはありません。

 こうなってくると、LPFのコンデンサもいじってみたくなってきます。 ここは、あまり考えずにディップマイカを使っていましたが、とりあえず手持ちのなかで使えそうなのに差し替えてみることにしました。

QSコン   交換に使ったQSコン
 以前にヤフオクで入手したQSコンがあったので、これを使ってみることにしました。 これは、双信電気製で同社のSEコンによく似た形をしていますが、マイカではなくスチロールコンデンサらしいです(自信ないです。よく知っている人があったら教えてください)。 高精度のもので金メッキの足だし、いいかなと思い手元にあったものですが、今回が初使用。 7500PFと2370PFの2種類をそれなりの数所有してましたので、4700PFのところは、2370PFを2本パラで4740PF、10000PFのところは7500PFと2370PFのパラで9870PFとして使用します。

こんな風になります
LPF周辺   LPF周辺

基板全体2   基板の全体像


 で、音ですが、これはどうもハズレです。 情報量は増えているかもしれません。 聞こえてくる楽器の数や種類は増えたような気がします。 しかし、一つ一つの楽器の音からクリアさが減ってしまいます。 これは、私の好みの方向とは違います。 近日中に別のコンデンサに入れ替える予定・・・


  カップリングコンデンサでEROのを使って結果が良かったのと、ネット上で勧めている方もあったので、LPF用にWIMAのポリカーボネートのやつを買ってきました。

WIMA製FKC4700pF   WIMA製FKC4700pF

手に入ったのは4700pFだけ。 10000pFの方もポリカーボにしたかったのですが、今の所手に入りません。 とりあえずディップマイカに戻すことにしましたが、どうせならいろんなコンデンサを試してみることにしました。 といっても高級コンデンサをとっかえひっかえという訳には行きませんから、ジャンク屋さんで手に入るようなやつばかりですが。

 取り替えやすいように、10000pFのところは鰐口クリップにしておきます。
鰐口   鰐口クリップ仕様LPF部

 まずは、ディップマイカをつないでみます。
ディップマイカ0.01μF   ディップマイカ0.01μF
 やっぱり、これはいい音です。 4700pFのほうがポリカーボになった分、解像度は上がっていますが、クリアだしうるさくありません。 このWIMAのコンデンサはCP高いです。

 さて、ここから実験です。 まず、Panasonic製のポリプロフィレンフィルムコンデンサです。 これはジャンク屋さんで1個50円で入手。
 Panasonic製ポリプロフィレンフィルム0.01μF   Panasonic製ポリプロフィレンフィルム0.01μF
 これ、ものは試しくらいのつもりでほとんど期待してなかったのですが、一聴して驚きました。 解像度が更に上がり、クリアないい音です。 おまけに、低音方向にも伸びて、低音楽器の解像度も上がります、1個1000円するディップマイカに完全に勝ってる。 えええっ・・・

 それではとばかり、少々図に乗って、今度はこれ。 やはりジャンク屋さんで買った高耐圧セラミックコンデンサ0.01μF。 直径1cm位のデカい図体です。 5個で105円。
 高耐圧セラミックコンデンサ0.01μF   高耐圧セラミックコンデンサ0.01μF
 さすがにこれはいけません。 高音から中音にかけてへんな癖があります。 なんか金気が強い感じ、嫌な音です。 ボツ。

 次はこれ、双信電気製QPコン0.018μF。 錫箔巻きポリプロフィレンフィルムとのことでちょっと期待。 これもジャンク屋さんで1個100円。
 双信電気製QPコン0.018μF   双信電気製QPコン--錫箔巻きポリプロフィレン0.018μF
  高音が出ない! 確かに容量大き過ぎかと思い、2本直列で0.009μFとして試してみましたが、高域まで広がったもののなんかやっぱりエッジが丸い感じがする。 これ、QCコンで感じた不満と似ています。 SEコンならこんなことはないのでしょうが、何しろあれは高価。

 最後はこれ、音響用銅箔スチロールコンデンサ0.01μF。 これは、ちゃんとコンデンサ屋さんで購入。 1個160円也。
 音響用銅箔スチロールコンデンサ0.01μF   音響用銅箔スチロールコンデンサ0.01μF
 まあ、LPF用の定番だし、無難なところだろうと思ってましたが、やはり無難な音です。 悪くはないけれど、あえてこれを選ぶほどアトラクティヴなところはありません。 本日の第3位。

 ということで、意外にもこの安いコンデンサの中からディップマイカを凌ぐものが見つかってしまいました。 現在、Panasonicが4ぱらえぴにはつながっています。 国内産では松下は昔から評判がいいのは知っていましたが、再認識。 集めて聴き比べてみる価値はありそうです。 近日中にASCと対決!

  さて、PanasonicとASCのX363を聴き比べてみました。 ASCの完勝です。 いろいろと、他のところが良くなっているせいでしょうが、今までとは次元の違う情報量です。 やっぱり腐ってもASCということか。 聴き比べなければ、Panasonicも悪くはなかったのですが。 こうなると、あとはポリカーボとの組み合わせとなってきますが、とりあえずこれで良いやと思いASCをハンダ付けしてしまいました。
 ASC搭載のLPF近辺   ASC搭載のLPF近辺


 とりあえずこれで完成。 でも暫定。 ポリカーボの0.01μFが手に入ったら試すかなぁ。


 で、ヤフオクでWIMAのポリカーボが手に入りました。 残念ながら、黄色いFKCではなく、赤いMKCタイプですが、これも製造終了しているものらしいです。 これとASCを比較するために、再びミノムシクリップを0.01μFの所に付けて両者の比較...
 WIMA MKC   WIMA MKC 0.01μF

 正直なところ、ASCの勝ちを予想していたのですが、うれしい誤算!
 ポリカーボの威力はすごいです。 情報量は更に増え、しかもうるささは減っている。 本当に演奏者の息づかいが伝わってくる感じ。

 今度こそ、これをハンダ付けします。 なんか、えらいカラフル....
 WIMA搭載のLPF近辺   WIMA搭載のLPF近辺

 本来、これで完成の予定でしたが、その後気になることが2つばかり出てきたので、もう少し続きます。


 まず、電源のアースラインについていじってみたくなりました。 基板のアースパターンをみると、セクションごとに区切られていて、その一部がお互いにつながっているという構造になっています。 で、デジタル系とアナログ系を結ぶ部分は高々2cm位の幅なので、ここのパターンをカットすると、完全にアナログとデジタルのアースを分離できます。 AQUAでアースを分離し、間をコイルで結ぶ方法がかなりの効果を上げているのを実感しましたので、やってみることにしました。 電源供給端子の近くでアナログ系とデジタル系のアースパターンをカットして分離し、猿真似でAQUAのチューンで使ったのと同じ470μHのコイルを間に入れました。 ところが、これをやるとジリジリと盛大にノイズが出ます。 コイルが拾ってるのかと思い、周りに銅箔テープを巻いてシールドしてみましたがだめ。 導線で直結するとこのノイズは全く出ないので、インダクタンスの小さいコイルをいくつか買ってきて繋ぎ変えてみましたが、インダクタンスを減らすとノイズもましになるものの消えません。おまけに音質改善効果も無いようなので、アースの分離は放棄しました。 なぜノイズが乗るのか理屈がよく分かってないです。

 少々凹みましたが、他にもやってみることがあるので着手します。 まず、prostさんが、自身のブログで終端抵抗をDaleからKEYの白タイトの11KΩに変えたら、解像度等が改善すると報告されていましたので、試してみました。  確かにこれは有効で、見晴らしが良くなる上に嫌な附帯音が減ります。
 次にLPFの0.01μFのコンデンサです。 確かにWIMAのポリカーボにして音の鮮度が違うと思いましたが、ここで使っているのはMKC、つまり金属蒸着タイプのものです。 4700pFので使った黄色いやつはFKC。 これは、箔巻きで構造上だいぶ違います。 箔巻きのコンデンサが良いという話は何度か耳にしたことがありますから、できればFKCをここにも使ってみたい。 けれども店頭にはFKCの0.01μFはなく、店の人も無いとおっしゃる。 で、複数をパラで使おうと考えました。 3300pFは数があったので、これを3個パラにして9900pFとし100pF分はまけてもらいました。 再度鰐口クリップに付け替えて比較試聴してみます。 聞き比べた結果、差は僅差ですが、FKCの方がクリアですっきりします。 私の好みはこっち。
 KEY11KΩ・all FKCのLPF近辺   終端抵抗:KEY 11KΩ・all FKCのLPF近辺


 さて、prostさんが精力的にチューニングに取り組み、ブログで発表されています。 特に電源はもともとprostさんの開発してこられた方式ですから大変参考になります。 で、追試してみようと思いました。 まずは、アナログ部用のLED電源の出力に付いている470μFのOSコンを取り去って、代わりに高域補正のCRフィルターを入れるということ。 私の場合、ここは壁が使ってあるのですが、ものは試しです。 prostさんが採用された抵抗2Ω+フィルムコン0.033μFの値でフィルターを作り、壁と交換してみました。

 filter for analogue   アナログ電源部用フィルター

 これは、効きます! 音の雑味はとれる、上下に帯域は延びる。 いままで聞こえなかった音をまた聞いてしまいました。

 次いで、デジタル側も三端子レギュレーターをやめてLED電源にしました。 prostさんのブログを参考にアナログ側のLEDの3個目を基準としてパワートランジスタとしてC1826を使い、出力端の壁をこちらも外して同じ高域補正用のフィルターを入れます。当初、デジタル側の電圧が5.6Vに達してしまったので、LEDの順番を入れ替えたりと工夫して、デジタル側5.02V、アナログ側7.28Vとなりました。 アナログ側がちょっと低くなってしまったのですが、まあいいことにします。

 最終型   最終の状態 ・・・・・ のはずだった

 で、音ですが更に良くなってます。 よりクリアに、しかもよりホットに。 

 とりあえず、ここまでで4パラエピは完成とします、 1号機は。.....えっ?


 ということで、1号機は終わりにしようと思ってたのですが、prostさんや、龍一さん、それにK'sさんが、電源を盛んにいじられて、効果絶大と聞くとやってみたくなります。
 しかし、ブリーダー抵抗を入れると、発熱がかなりになりそうなので、これはパス。 水晶発振器の電源を別にするというのが、もともと興味が有ったので、これをやってみることにしました。
龍一さんたちは、基板を一部いじって、レギュレーター用のトランジスタを基板裏に直付けするなどの技を使ってらっしゃいますが、どうもこれ以上基板に傷を付けたくない気がします。 そこで、発信器をソケット式にしてあったのを利用して、電源ごと別基板上に組むことにしました。
  クロックモジュール基板   新たに作ったクロックモジュール基板

 放熱版こそ小型ですが、アナログ部とほぼ同じ構成でトランジスタはA836とC1826を使い、LEDの組み合わせを工夫して電圧は5.02Vと優秀です。 気休めかもしれないけれども、ビーズも入れてみました。
  こんどこそ最終形   こんどこそ最終形 ?

 で、音ですが、すごいです。 情報量がぜんぜん違う! いつものワルツ・フォー・デイビーを聞くと、店の広さまで伝わってくる感じ。 臨場感が別次元に拡大します。 やはりクロック用の電源は分けるべきです。 これで、本当に1号機は終わりにします。 近々、3号機でやり残した実験をいくつかしようと思ってます。 2号機はどうしたって? 実は、2号機は、製作段階で色々いじりすぎて、デジタル部を殺してしまいました。 アナログ部は無傷なんですが、言わば脳死状態になってしまっています。


 その後、2号機、3号機をいじるうちに、カップリングコンデンサで数種類、1号機で使っていたEROのMKCを凌ぐと思うものが出てきました。 特に、EROのMKT1813は常用するものの出力段にぜひ使っておきたいと思いました。 そこで、いったん蓋を閉じた1号機をもう1回だけいじることにしました。 3号機はLPFを全て1813にしてしまいましたが、1号機はここは今まで通りFKCのままにします。 カップリングコンデンサですが、1813の250V1.5μFのものを3パラで使うことにして、龍一さんが、針金ぐるぐるを勧めていらっしゃるのでやってみようかと思います。 ただ、2mmくらいの太いやつの手持ちがないので1mmのエナメル線を密に巻いてみることにしました。

  その後   カップリングコンデンサ変更後

 針金ぐるぐるで3つのコンデンサががっちり固定される感じになり、きっと物理特性はよくなるだろうなと感じました。 実装したのがこれ。 音は予想通り更に高解像度となり、「寄らば斬るぞ」という感じ、今度こそ1号機は完成!


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