あれこれ・まあ・のんとろっぽ

presented by づか since December 2004


オーディオ関連掲示板


prostさん頒布:MICRO0032基板を使ったヘッドホンアンプの実験

 prostさん頒布のLH0032用アンプ基板を使ったヘッドホンアンプは素晴らしく、すっかり虜になってしまいましたが、同時に入手したMICOR0032基板をこのアンプに差し替えていろいろ実験を始めました。 こちらは別にページを開くことにします。
 頒布された基板は12pinでLH0032とpin互換性のあるもの2種。 モールドタイプのトランジスタ用のと、メタキャンタイプ用のがあります。

 まずは、モールドタイプのを組み立ててならしてみようと思いますが、既に大勢の方が試してレポートされてますので多少なりとも違ったものでないと面白みがありません。 で、石を少しこだわってみようと思いました。

まずは、回路図の検討          

 と言っても、私なんぞにたいしたことが出来る訳でもないですが、プロストさんのHPに載っている回路図を眺めてみます。 
 まず、初段はJFETによる差動増幅回路。ここへの負電流をTr5のVBE一定を利用したTr4による定電流回路で供給しており、これはペルケさんのヘッドホンアンプでも使われているものに近いです。 この出力をTr6、Tr7、Tr9、Tr10のPNPトランジスタ4個で受けていますが、これは浅学な私には良くわからんもののやはり差動増幅回路でしょう。 ここへもやはり定電流回路で電流供給が行われていますが、こちらはTr8とTr12によるカレントミラー回路が使われています。Tr1〜Tr3はいずれもダイオード接続ですから、定電圧回路でバイアスを作っていると思います。 Tr11がドライバで、Tr13がTr14コンプリトランジスタによる出力段。 ざっとこんなとこでしょうか、間違いがあったらごめんなさい。
 で、どんな石を使うか考えてみます。 まず、初段のFETですが、いろいろな方の報告を見ると、2SK246が一番良さそうな感じ。 さいわい、こいつはペア取りしてあるやつのストックがあるので、これを使いましょう。 Tr1〜Tr3は、要するにダイオードの良いやつが欲しい訳で、NPNのシリコントランジスタなら何でも使えそうですが、低雑音タイプのものを使うことにします。 初段の定電流回路のうちTr5はVBE一定を作るためだけなので、これも低雑音タイプのNPN、Tr4はいわゆる定電流石というやつにあたるので電流供給能力の良好なNPN石。 ついでに2段目のカレントミラー回路も同じ電流供給力のあるNPN石にします。 2段目のPNP石4つは、このアンプの心臓部かなーとも思うので低雑音タイプのもの。TR11もドライバなので低雑音のNPNそして最終段は音の良いコンプリを何か用意する。 ざっとこういう方針で、手持ちの石を眺めてみました。 で、低雑音のPNP石として2SA836、低雑音のNPN石として2SC1844電流供給石として2SC2911、終段は2SA1010/2SC2334のコンプリを選んでみました。

 そんで、とりあえず組んでみたのがこれ。 抵抗はREYの1/4Wを使い、発振防止のコンデンサはソケット式として色々試せるようになってます。

RawBoad   とりあえず組んだ基板

 これを、ヘッドホンアンプの2号機のLH0032の代わりに差し替えて試聴しましたが、見事に玉砕。 歪みきった、蚊の鳴くような音しか出てきません。 やっぱり、この回路で2SA1010/2SC2334のコンプリをドライブするのには無理があるようです。 で、素直に終段のトランジスタを変更。 手持ちでコンプリがそろっていたため、2SA1208/2SC2910を使ってみました。

完成基板   Micro0032を搭載したHPA基板

 こんどはすんなり音がでました。 いやー噂通り、これはLH0032ファミリーの音ですね。 良い音です。 むしろこっちの方が音が濃い感じで聴かせます。 しばし、聞き惚れていました。

 でも、これで終わりではありません。 今回はコンデンサの聴き比べをやる予定。
 用意したコンデンサはこの3種類です。

コンデンサ    コンデンサ3種

 右から、ニッセイのAPS(ポリプロ)、パナソニックのポリプロ、海神無線にあるオーディオ用PPSコン。 いずれも容量は100pFです。

 私の耳でも差は分かりました。 はじめはAPSで聴いていて、良い音だなーと思ってたんですが、パナソニックのポリプロに変えてみると、音の良さはそのままで、明らかに情報量が増えます。 これは凄い。 
 更に、黒いPPSコンに取り替えると情報量はそのまま、それまで気付かなかった暗騒音のような付帯音がとれて、よりクリアに静かになります。 この黒いのはしばらくはまっちゃうかも。 あとは、アレを試すかですが、さすがにアレは高いですからねェ。

つづいて、メタキャン用の基板          


 これも既に作った方も多いし、まず試してみたかったのがゲルマです。 ただ、ゲルマで果たしてまともに鳴るのかどうか。 オールゲルマにこだわると、定数をいじらなければならなさそう。 ダイオード接続の部分や定電流回路のVBEなんか、シリコンとゲルマでは電圧が倍くらい違いますから。 で、定電圧を作る目的のところ、つまりTR1〜3とTR5はシリコンのメタキャンにしました。 一応ローノイズ石が良いと思い、2SC1010を使います。 FETは2SK246。 あとはゲルマニウムトランジスタです。 FETへの定電流石は試みに2SD77を使ってみました。 カレントミラー回路は2SD72、差動回路のPNP石4つは広帯域の2SA235、終段手前のNPN石は2SD77を使いました。 以前に大気圏突入させちゃった時の白鳥の歌が忘れ難くて、信号回路に使ってみたかったんです。 そして終段は電流を流すのに一番安心な2SB405/2SD72のコンプリにしました。 抵抗値は指定通りですが、終段の電流制限抵抗だけは10Ωから47Ωに変更しました。 コンデンサは例の黒いやつ。 出来上がったのはこんな感じ・・・

ゲルマニウムバージョン    ゲルマ石バージョン

 音は・・・ まあ、悪くはないんだけど、凄みやシャープさとかがなくて、さりとて美音というのでもなく、ややもの足りません。 まあこれはここまでにしておこうかと思います。

モールドトランジスタ用の基板:2つ目          


 気を取り直して、モールド石の別ヴァージョンを作ってみることにします。 今回は、信号経路の石にA1391/C3382のコンプリを使ってみようと思います。 理由は、手持ちがたくさんあるのと、あまり使ってみてる人がいなさそうだから。 初段はK246、次段のPNP石4つはA1391、ダイオード接続の3つと定電流回路のVBE基準石、それに出力段の前のドライバはC3382。 今回、電流を流す石は、これも手持ちがたくさんあるからという理由でA1020/C2655をつかってみました。 つまり、定電流石とカレントミラー石はC2655で出力段はA1020/C2655のコンプリです。

モールド石バージョン2    モールド石バージョン2

   で、これを聴いてみたら、良いです! 最初のモールド石タイプよりかなり解像度が高く、本家のLH0032を凌ぐかも。 やはりA1391/C3382は名石なんじゃないかと思うです。 で、それ以外の部分を検討すべく、ソケットヴァージョンを作りました。

ソケットバージョン    ソケットバージョン

 ごらんのように、定電流石、カレントミラー石、および出力段のコンプリがソケットになっています。
 で、まずは定電流石以外はA1020/C2655にして、定電流石を取り替えて比較します。 モールドタイプの石をいろいろ試しましたが、どうもC2655を凌ぐものがありません。 そこで、ゲルマ石を試すことにし、D72を差してみたら、格段にいいです。 解像度が上がり低音もしっかりしてきます。 やっぱりこのタイプの定電流回路はゲルマが良いようです。 こうなると更に上を目指したくなり、C90を差してみました。 これ、予想以上に効きます。 後戻りできない感じですが、いまやC90は入手困難石になってしまっています。 数が手に入りません。 ともあれ、次にカレントミラー石です。 これは、気楽にD72を投入してみましたが、ダメです。 どうも、電流供給回路なのに挙動が違うためか、同じ石ではいい結果が出ません。 モールド石いくつかとメタキャンまで試しましたが、結局C3382に落ち着きました。 最後に出力段ですが、モールドのコンプリを6〜7種類試したのですがA1020/C2655を超えるものがなく、これで行こうかなと思っていたら、ノラさんからA1399/C3581が良いよという情報をいただき試してみると、良いんですねこれ。 

 その後、出力段の石として、メタキャンのコンプリを2組試してみました。 まず、A708/C1008。 これ、わりと低音が厚く、その割に解像度は良いんですが、A1399/C3581と比較すると、周波数レンジは少し狭い感じ。 超低域と高域が少し狭いです。 音楽を普通に聴く分には、こっちの方が好きという人もいるんじゃないかと思いますが、私の好みはA1399/C3581の方です。 次に、A712/C1217のコンプリ。 これは、きわめて入手困難な高周波石ですが、高速電源用にある程度数を確保してあったのを試しに使ってみました。 こっちは、A1399/C3581にかなり似ています。 周波数レンジは広く、素直な音。 しかし、入手性と値段を考えたら、A1399/C3581を使う方が賢明です。 もう、A1399/C3581に固定しようかと思っていたら、たまたま、ヤフオクで松下のC1383という石を激安で大量に入手しまして、こいつを試したくなり、秋葉でコンプリを探してみました。 本来のコンプリはA683ですが、耐圧違いのA684の方が安く手に入ったので、これを試してみました。 これも、なかなか良くて、音が瑞々しいのですが、周波数レンジではA1399/C3581にはかなわないようです。 でも、この石を使ったヴァージョンは作っておいて、時々差し替えて楽しみたい感じ。 

 
 さて、ソケットヴァージョンはコンデンサが交換可能になってます。 黒いPPSコンは気に入ってはいたのですが、ここのコンデンサ、容量を100pFが妥当か、実は検証していません。
 LH0032の回路では、本来10pFくらいであったものを、発振がおこらないよう大きめにしてあったのですが、もっと小さい値ならどうか試してみたいと思い、実験してみました。 といっても、ポリプロやPPSはみんな100pFが最小容量なので、ディップトマイカを買ってきて、15pF、47pF、100pFを聴き比べてみました。
 で、困ったことに、はっきり差が出るんですね。 ヘッドホンアンプで使う限り、15pFでも発振せずにすみましたが、100pFに比べて明らかに解像度が上がり、音が躍動しています。 これは、100pFには戻せない感じ。 でも、そうするとポリプロやPPSはあきらめなければなりません。 選択肢は極めて狭く、セラミックは音悪くなりそうなので、マイカか、さもなければアレ。  うーむ。  

 つづく・・・・・  



アンプをめぐるあれこれ      

オーディオ関連のページ INDEX   


オーディオ関連掲示板       


Home              



inserted by FC2 system